食物繊維を効率的に摂取する方法をご紹介する方法をご紹介します。
整腸作用で知られる食物繊維。具体的にどのような働きがあり、私たちは日々どのくらいの量の食物繊維をとるのが良いのでしょうか?
今回の記事では、食物繊維の多く含まれる食材や食物繊維をとる際の注意点などをお届けします。
- 食物繊維はなぜ必要?
- 食物繊維の効果・働きとは?
- 整腸作用
- 血糖値上昇を抑える
- 血中コレステロール濃度の低下
- 食物繊維の種類は?
- 不溶性食物繊維
- 水溶性食物繊維
- 食物繊維を効果的に摂取する方法と注意点
- 食物繊維は1日にどのくらいとればいい?
- 主食の穀物から摂取する
- 食物繊維を多く含む食材を積極的にとり入れる
- サプリやトクホでとる方法も
- 食物繊維を多く含む食品とは?
- 野菜類に含まれる食物繊維
- 穀類に含まれる食物繊維
- きのこ類に含まれる食物繊維
- 豆類に含まれる食物繊維
- いも類に含まれる食物繊維
- 海藻類に含まれる食物繊維
- 積極的に食物繊維をとっていこう
食物繊維はなぜ必要?
食物繊維とは体内で消化・吸収されず、小腸を通って大腸まで到達する食品成分のこと。
目に見える野菜のスジそのものを指しているわけではありません。
含まれていない食材
お肉など動物性の食品にはほとんど含まれず、野菜や穀類など植物性の食品に含まれている成分です。
食物繊維の整腸作用はよく知られていますが、それだけではありません。
こんな悩みの方におすすめ
- 食物繊維をとることで血糖値の上昇を抑える。
- 血液中のコレステロール濃度を低くする
などの効果も期待できるんです。
その有用性が注目されており、実は、現代の食生活において、食物繊維は多くの人に不足しています。
積極的に食物繊維をとることがすすめられています。
日本人の成人全体でみるおt、1日の摂取目標量に対して、7割程度しか取れていないと言われています。
特に20代から40代で不足しているとも言わr手います。
食べ方のコツとしては、朝食にご飯を選んでいる方には、おかずをプラスすることをオススメします。
理由は、ご飯や麺類、パンなどの穀物には糖質が多く含まれています。
糖質を摂取することで、血糖値が上昇しやすくなります。
血糖値の上昇を緩やかにしてくれるのが、食物繊維だからです。
簡単なやり方もご紹介します。
ご飯:昆布や豆を混ぜる
パスタ:キノコ類や野菜をたっぷり入れる
パン:サラダをプラスして食べる
などが簡単なやり方です。
食物繊維の効果・働き
食物繊維の働きとしてよく知られているのが整腸作用ですね。
腸内環境を整え、便秘改善に役立ちます。
さらに食物繊維の一種には、コレステロールや糖の吸収を抑制する作用もあるんです。詳しくご紹介します。
整腸作用
食物繊維の一種には、便の体積を増やし、大腸を刺激して腸の動きを活発化することで排便を促す働きがあります。
また、食べ物が胃や小腸を通って大腸まで到達すると、食べ物に含まれる食物繊維が大腸に住む腸内細菌のエサとなり、善玉菌を増やして腸内環境を好ましい状態に保ってくれます。
腸内環境が好ましい状態になれば、排便が促進され、便秘改善が期待できます。
便通の悩みには、下痢や軟便ぎみになる人もいますね。
こうした症状の時にもまずは有効な手段として取り入れてみてはいかがでしょうか?
血糖値上昇を抑える
他の栄養素の吸収を妨げたり、吸収速度を遅らせたりする働きがある種類の食物繊維もあります。
食物繊維をとると糖の吸収速度を緩やかにすることができ、血糖値の上昇速度を抑え、食後の高血糖を防ぐことができます。
「食後の血糖値上昇が気になる方に」
「糖の吸収を穏やかにする」
などの記載された特定保健用食品(トクホ)は関与成分として食物繊維の一種を使用したものです。
高血圧や肥満が気になる方にはおすすめです。
血中コレステロール濃度の低下
糖と同じように、食物中に含まれるコレステロールの吸収を妨げる作用がある食物繊維もあります。
また、コレステロールを体外へ便と一緒に排出してくれる働きもあり、血中コレステロール濃度を下げる効果も知られています。
糖尿病の悪化や動脈硬化のリスクを心配される方にも関連する効果です。
食物繊維の種類は?
食物繊維は、水に溶けやすい水溶性とそうでない(不溶性)で大きく2種類に分類されます。
ひとつは「不溶性食物繊維」、もうひとつが「水溶性食物繊維」です。
それぞれ異なる特徴と働きがあります。
なお、ひとつの食品のなかに不溶性食物繊維と水溶性食物繊維のどちらも含まれているものがほとんどです。
不溶性食物繊維
不溶性食物繊維は保水性が高いことが大きな特徴です。
体内で水分を吸収して膨らんで便の体積を大きくし、腸を刺激することで排便を促します。
【豊富な食べ物】
- ライ麦
- そばなどの穀類
- 切り干し大根、とうもろこしなどの野菜
- きのこ類・豆類
などに多く含まれています。
水溶性食物繊維
水溶性食物繊維は粘性と吸着性が特徴です。
糖の吸収を遅らせたり、コレステロールを体外へ排出する効果があります。
また、善玉菌のエサとなって腸内環境を整える作用もあります。
【豊富な食べ物】
- トマトやごぼうなどの野菜
- 押し麦や小麦などの穀類
- いも類
- 豆類
- 果物
- 藻類
などに多く含まれています。
食物繊維の摂取方法
1950年ごろの調査では、日本人の平均食物繊維摂取量は20gを超えた十分な量でした。
しかし、食事環境が変化し、食事食物繊維が多く含まれる穀類・豆類・いも類の摂取量が減少していき、現在では平均15g程度と食物繊維の摂取目標量に3~6gほど届いていません。
食物繊維は動物性の食品にはほとんど含まれないので、お肉の多い食事より、野菜の多い食事を意識すると食物繊維をより多くとることができます。
たとえば、食物繊維の多いごぼうを100g食べると5.7gの食物繊維がとれます。
でも、毎日の食事にごぼうをプラス100g、というのはなかなかハードルが高そうです。
では不足した食物繊維を効率的に摂取するにはどうすればよいでしょうか。
食物繊維は1日摂取量目安
そもそも、1日にどの程度の食物繊維をとるべきなのでしょうか。
1日あたりの食物繊維摂取目標量は、18~64歳の男性で21g以上。
女性で18g以上(「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より)とされています。
しかし、近頃では1日当たりの平均摂取量は15g程度という報告も。
多くの人は食物繊維が目標量より不足しているという現状です。
主食の穀物から摂取する
食べる量の多い主食からたくさん食物繊維がとれると、効率が良いですよね。
毎日食べるお米なら精白米より玄米や押し麦の入った麦ごはん、パンなら白いパンよりも全粒粉やライ麦のパンのほうがより多くの食物繊維を含んでいます。
たとえば白米と玄米で比べると、100gあたりの食物繊維含有量が白米で0.5g、玄米で3gと、なんとその差6倍。
摂取量低下の原因
以前に比べて食物繊維の摂取量が低下した理由として、主食となる穀物の摂取量が減少したことに加えて、玄米や麦ごはんより精白米が好まれるようになったことが考えられるんだそう。
食物繊維をより多くとりたいなら、精製度合いの低いものを意識して選ぶと良いですね。
食物繊維を多く含む食材を活用
食物繊維は豆類・野菜類・果実類・きのこ類・藻類などに多く含まれます。
例えば野菜であれば、かぼちゃ・ブロッコリー・モロヘイヤなどの緑黄色野菜やゴボウ・さつまいも・たけのこなどが挙げられます。
また糸引き納豆・おから・ひじき・切干大根なども食物繊維が豊富です。
これらの食材には、1食あたり摂取する量の中に食物繊維がなんと2~3gも含まれています。
副菜や汁物に加えるなど工夫して、日々の食事に積極的に取り入れたいですね。
サプリやトクホでとる方法
毎日の食事を変えるのはなかなか難しい…という方には、食物繊維が多く含まれている特定保健用食品(トクホ)や、サプリメントでも食物繊維を摂取することもできます。
実は、特定保健用食品で「おなかの調子を整える」と表示しているものの多くが食物繊維を関与成分とするものなんです。
ただし、「おなかの調子を整える」食品を一度に多くとりすぎるとお腹がゆるくなる原因となることがありますので、摂取方法や摂取量に注意することが必要です。
食物繊維を多く含む食品
食物繊維はおもに、野菜類・穀類・きのこ類・豆類・いも類・海藻類などに多く含まれます。それぞれどのような食品があるのかみていきましょう。
野菜類に含まれる食物繊維
100gあたりの食物繊維量が多い野菜類は以下のとおりです。
1位:わらび(干しわらび、乾)58.0g
2位:とうがらし(果実、乾)46.4g
3位:ぜんまい(干し若芽、乾)34.8g
4位:かんぴょう(乾)30.1g
5位:きく(菊のり)29.6g
その他、ドライトマト、切干大根などにも多くの食物繊維が含まれています。
穀類に含まれる食物繊維
100gあたりの食物繊維量が多い穀類は以下のとおりです。
1位:こめ(米ぬか)20.5g
2位:おおむぎ(麦こがし)15.5g
3位:こむぎ(小麦はいが)14.3g
4位:こむぎ(玄穀)14.0g
5位:ライむぎ(全粒粉)13.3g
その他、ライ麦粉、押麦などにも食物繊維が多く含まれています。
きのこ類に含まれる食物繊維
100gあたりの食物繊維量が多いきのこ類は以下のとおりです。
1位:あらげきくらげ(乾)79.5g
2位:しろきくらげ(乾)68.7g
3位:きくらげ(乾)57.4g
4位:しいたけ(乾)41.0g
5位:まいたけ(乾)40.9g
乾燥したきのこ類には多くの食物繊維が含まれていることがわかります。
豆類に含まれる食物繊維
100gあたりの食物繊維量が多い豆類は以下のとおりです。
1位:おから(乾燥)43.6g
2位:あずき(さらしあん)26.8g
3位:べにばないんげん(全粒、乾)26.7g
4位:あずき(全粒、乾)24.8g
5位:つるあずき(全粒、乾)22.0g
豆類のなかで最も食物繊維量が豊富な食品は、乾燥おからです。それに次いであずきなどにも多くの食物繊維が含まれています。
いも類に含まれる食物繊維
100gあたりの食物繊維量が多いいも類は以下のとおりです。
1位:こんにゃく(精粉)79.9g
2位:凍みこんにゃく(乾)71.3g
3位:凍みこんにゃく(ゆで)15.5g
4位:アメリカほどいも(塊根、生)11.1g
5位:じゃがいも(塊茎、皮つき、生)9.8g
こんにゃく精粉や凍みこんにゃくには豊富な食物繊維が含まれます。私たちが日ごろよく口にする食品では、じゃがいもやさつまいもなどが挙げられます。
海藻類に含まれる食物繊維
100gあたりの食物繊維量が多い藻類は以下のとおりです。
1位:てんぐさ(粉寒天)79.0g
2位:てんぐさ(角寒天)74.1g
3位:えごのり(素干し)53.3g
4位:ほしひじき(ステンレス釜、乾)51.8g
4位:ほしひじき(鉄釜、乾)51.8g
寒天や乾燥ひじきは食物繊維が豊富な食品です。
食物繊維をとっていこう
第6の栄養素とも言われ、整腸作用の他にも様々な効果が期待できる食物繊維ですが、現状の食生活だとほとんどの人に食物繊維が足りていません。
野菜などの植物性の食品を多くとるようにしたり、白米より玄米を選んだり、ちょっとした食生活の変化で食物繊維を無理なく摂取することができます。
ご紹介したポイントをふまえて、食物繊維をより多く含む食品を賢く選んでいけると良いですね。
厚生労働省の公開している生活習慣病に関連サイトの情報を見ると、さまざまな食に関するリスクや推進する情報も掲載されています。
何より大切なのは、バランスです。
炭水化物、たんぱく質、ミネラル、ビタミンなどどれか一つに注目しすぎるとその他の摂取が不足するリスクもあります。
コロナ禍で健康に対する意識も高まっています。
一方で、食材の高騰化により、家計の節約も考えたい。
なかなかこれまでと同じメニューを維持するのは困難。
こんな時でも、まずは1週間単位で見直してみるとわかりやすいです。
参考資料