還元麦芽糖水飴は、血糖値を上げますか?
こんな相談がネット上でも数多く書き込まれています。
栄養士への相談や解答等を見ても同様で、安心していただきたい情報をご案内しています。
還元麦芽糖水飴は、血糖値の上昇がほとんどない甘味料です。
小腸でほとんど消化吸収されないため、血糖値の急激な上昇とインスリンの分泌への影響が少ないです。
しかしながら、普通の砂糖より血糖値の上昇が穏やかになる、という特徴があるだけで、全く上昇しないわけではないため、糖尿病対策で厳しい糖質制限をしている方は注意が必要です。
他にも血糖値を上げない甘味料としてエリストール、ラカントなどがあります。
素朴で優しい味わいから、料理やお菓子の甘味づけに使われている麦芽糖(マルトース)。
その名前から、麦からできていると思われがちですが、実は他の原料から作られていることも多いのをご存じですか?
このページで、麦芽糖の基礎知識から、名前のよく似た還元麦芽糖との違い、さらには気になる健康効果や小麦アレルギーへの影響まで、役立つ情報を幅広くお届けします。
目次
- 麦芽糖(マルトース)とは
- 麦芽糖は血糖値の上昇を抑える?
- 麦芽糖の健康効果
- 麦芽糖はグルテンフリー?小麦アレルギーでも大丈夫?
- 麦芽糖水飴の作り方レシピ
- 麦芽糖についてのQ&A
- かわしま屋のおすすめの砂糖
- 麦芽糖(マルトース)とは
- 麦芽糖(マルトース)とは
- 麦芽糖(マルトース)とは、単糖類であるブドウ糖(グルコース)が2つ結合してできた二糖類。
- 水飴の主成分として知られており、甘酒などにも含まれています。
また、麦芽糖という名前の由来は、その名のとおり麦芽(発芽した大麦)をでんぷんに作用させて得られることからきています。
ただし最近では、大麦などの麦よりも、トウモロコシやジャガイモのでんぷんから作られることが多いようです。
麦芽糖・ブドウ糖・でんぷんの違いは?
先ほども名前が出てきた、ブドウ糖とでんぷん。 麦芽糖を含め、すべてが炭水化物に分類されるものですが、これらの違いは何なのでしょうか。
簡単に言うと、ブドウ糖(グルコース)が2つ結びついてできたものが麦芽糖(マルトース)。 そして、ブドウ糖が10個以上結びついたものがデンプンです。
ブドウ糖が単糖類に、麦芽糖が二糖類に、でんぷんが多糖類に分類されるのは、このようにブドウ糖の結びついた数から来ているわけですね。
還元麦芽糖(マルチトール)とは
麦芽糖とよく似た名前のものに、還元麦芽糖(マルチトール)があります。
還元麦芽糖は、麦芽糖(マルトース)を原料として、高圧下で接触還元して得られる糖アルコールの一種。 麦芽糖が糖類なのに対し、還元麦芽糖は糖質に分類されます。
還元麦芽糖は砂糖の8割ほどの甘さを持ちながら、カロリーは約半分であることから、砂糖の代用品・甘味料として使われています(麦芽糖は砂糖の3割の甘さで、カロリーは砂糖とほぼ同じ)。
また、摂取しても血糖値やインスリン分泌への影響があまりないことなどから、糖尿病の食事療法にも長く使用されているのも、こちらの還元麦芽糖です。
次の章以降は、麦芽糖をメインに取り扱いつつ、区別があいまいになりがちな還元麦芽糖についても、適宜補足しながら解説していきますね。
麦芽糖は血糖値の上昇を抑える?
食後の血糖値の上昇は、ブドウ糖が小腸から吸収されることによって引き起こされます。
その点、ブドウ糖2つが結び付いてできている麦芽糖は、小腸でいったんブドウ糖に分解されてから吸収されることになります。 そのため麦芽糖は、ブドウ糖をそのまま摂取する場合に比べ、食後の血糖値の急な上昇を抑える効果があると言えるでしょう。
ただし、糖尿病の食事療法で使われているのは、先ほど登場した「還元」麦芽糖のほう。
- 摂取による血糖値やインスリン分泌への影響があまりない
- 加熱しても苦みが出たり、素材の風味を損なうことがない
- 砂糖の8割ほどの甘みを持つ(麦芽糖は約3割)
上にあげた3つが、還元麦芽糖が糖尿病の食事療法に用いられているおもな理由です。
このような理由や実績をふまえると、血糖値の上昇を抑えたい(肥満や糖尿病、カロリー制限を気にしている)場合は、麦芽糖ではなく還元麦芽糖を用いると良いのではないでしょうか。
麦芽糖2つの健康効果
血糖値のほかに、麦芽糖の健康効果について目にする機会が多いのは、「赤ちゃんの便秘」と「虫歯へのなりにくさ」の2つ。
実際のはたらきはどうなのでしょうか。
順番に見ていきましょう。
【赤ちゃんの便秘を改善する】
麦芽糖は、赤ちゃんの便秘治療薬・マルツエキスの主成分としても利用されています。
これは麦芽糖の持つゆるやかな発酵作用が、赤ちゃんの腸の運動を活発にさせ、おだやかな排便を促してくれるから。 副作用の記載も見当たらない、安心安全な成分です。
なお、麦芽糖の発酵作用は比較的やさしめ。
マルツエキスの用法・用量に記載されている、一番上の年齢が「1才以上3歳未満」であることからも、あくまで乳幼児向けの効果効能だと言えるでしょう。
【虫歯になりにくい?】
「麦芽糖=虫歯になりにくい」というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれませんが、その効果を得られるのは、麦芽糖ではなく還元麦芽糖のほう。
麦芽糖は砂糖(ショ糖)やブドウ糖と同じように、ミュータンス菌のエサになってしまいます。
虫歯予防の観点から甘味料を選ぶ場合は、麦芽糖ではなく還元麦芽糖の入っている食品を選ぶようにしましょう。
ただし、市販の食品の中には、還元麦芽糖のほかに砂糖やブドウ糖が含まれている場合も。 これでは虫歯予防の意味がありませんので、購入する際は、内容物をよく確認されることをおすすめします。
麦芽糖はグルテンフリー?小麦アレルギーでも大丈夫?
名前からして、いかにも麦(小麦)が入っていそうなイメージを持たれがちな麦芽糖。
しかし、最近の麦芽糖は麦由来ではなく、トウモロコシやジャガイモのでんぷんから作られているものがほとんどです。
また、小麦由来の麦芽糖を使用している場合は、商品の原材料表示に「小麦を含む」など、その旨を記載する義務があります。
ですので、小麦アレルギーをお持ちの場合でも、原材料に「小麦を含む」の表示が無ければ、安心して口にできると言えるでしょう。
ただし、アレルギー表示の義務があるのは小麦だけです。
重度の小麦アレルギーで、大麦・ライ麦・オーツ麦など、ほかの麦にもアレルギー反応を起こしてしまう方は、麦由来の麦芽糖を使用していないかどうか、製造元に確認されることをおすすめします。
還元麦芽糖水飴は、血糖値の上昇がほとんどない甘味料
身近にある麦芽糖が主成分の食品は、「水あめ」です。砂糖と比べてすっきりとした上品な甘みがあります。
麦芽糖は加熱しても焦げにくく、煮詰めた後に冷やしても結晶になりにくいのが特徴です。
麦芽糖が主成分の水あめを料理に使うと、ツヤ出しや保湿効果があります。
甘みはすっきりとしているため、他の甘味料と併用したり分量を考えて使うことをおすすめします。
ダイエットや肥満防止に効果的
特徴として、胃腸で消化吸収されにくいまたはされないまま対外へ排出されてしまいます。
そのため、食品や肥満からくる生活習慣病の予防色に安心して利用いただけます。
危険性は何もないの?
糖アルコール類を一度に大量に摂取するとおなかが緩くなる(下痢)などの症状をひきおこすことがあります。
原因は、以下のような流れになります。
- 小腸で消化吸収されにくい
- 吸収されない糖アルコール類が大腸に到達
- 大腸内の浸透圧が高くなる
結果的に、おなかが緩くなるのだといわれています。
還元水飴が人体に危険をもたらしたという報告は上がっておりませんが、風評による内容は一部で見受けられます。
しかし、ネガティブな内容には、裏付けの話がないことが多いようです。
ダイエット食品だけでなく、糖尿病の食事療法の中でも、還元麦芽糖が使われていることも知っておくと安心材料になると思います。
つい、保存料、合成着色料等と同じように、甘味料や調味料の名前を見ると、靭帯に影響は?と心配になる人も多くなりました。
しかし、名前を見ただけで、反応する前にまず知られてない情報は、治療や体調が悪い時にも使えるのかを確認してみると良いのではないでしょうか?
参考資料