歴史と伝統に色づく街金沢の名物や郷土料理

23983624_s 兼六園

石川県には、様々な名産品がある。

今回は、金沢名物の歴史を紐解いていく。 金沢といえば、金沢カレー、金沢おでん、金沢治部煮うどんなどを食べたことがあるという人もいるのではないでしょうか?

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和菓子消費量日本全国ランキング1位の石川県ですが、普段の食卓にならんでいるメニューにも金沢名物があることを知っていただけたらと思います。

意外と身近な金沢名物

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ぶり大根

551527_s 石川県の伝統食材を語るうえで欠かせないのが、ブリである。初冬、「ぶりおこし」と呼ばれる雷が雷鳴を響かせる時期になると能登の内浦地区で定置網を使った本格的なブリ漁がはじまる。 養殖のブリも一般的になったが、脂ののりや味、身のしまりは天然ブリが大きく勝っているといわれる。 厳冬期の寒ブリはとくに脂がのっていて、刺身で食べると醤油をはじくほどだという。暮れの祝いごとや贈答品に使われ珍重されており、“コゾクラ”、“フクラギ”、“ガンド”と大きさによって名前を変える出世魚のため、縁起物としても喜ばれる。 歴史的背景 江戸時代、とれたてのブリは、城下に出まわる前にまず藩主へ献上されたという。「ブリ一本、米一俵」ともいわれる高級食材で、庶民が口にすることは滅多になかったといわれている。 いまでは定番の「ぶり大根」や刺身をはじめ、かぶらに挟んだ「かぶらずし」や発酵食の「巻きぶり」など、県内ではさまざまなブリ料理が楽しめる。

あいまぜ

22204394_s 三方を海に囲まれた能登半島。 赤土に代表される粘りの強い土壌によって、栽培される野菜に独特の風味がもたらされる。 これらの風土を活かして生産された野菜は「能登野菜」としてブランディングされている。 おおむね30年以上の栽培歴史があること、部会などの組織をつくっていること、広く一般に流通していること、といった認定基準を設け「能登伝統野菜」「能登特産野菜」に分けられ流通する。 能登だいこん、能登かぼちゃ、神子原(みこはら)くわい、金糸瓜(きんしうり)などおよそ20品目が認定されている。こうした野菜栽培に恵まれた環境をもつ能登地域では、地元の野菜を使ったさまざまな郷土料理が生まれた。その一つが「あいまぜ」である。 「あいまぜ」は、主に能登地域で食べられている伝統料理。大根や人参といった根菜類を中心に使った煮物である。 使う野菜はその土地土地でとれる旬の野菜が使われるため、見た目や味わいはさまざま。幅広いアレンジがほどこされ、いまに伝わっている。 地域性があらわれるのも、この料理の特徴の一つである。

なすそうめん

23983624_s かつて、そうめんの産地として知られていた石川県。 一大産地だった奥能登の輪島市では、室町時代からそうめんづくりが根づき、漆器の「輪島塗り」以上の長い歴史がある。 江戸時代に入ると、その評判はいっそう高まり各地へ輸出された。 庶民が名産として進物用に用いるほか、有名銘柄は将軍への献上品にも使用されるほどだった。 しかし、昭和に入るころには産業として衰退していき、名産は輪島塗りに取って代わられた。 富山県の砺波市(となみし)大門地区でつくられる「大門そうめん」は、江戸時代後期に薬売りの行商を通じて能登から伝承されたものといわれている。 そうめんの産地だった名残りは、金沢市で食べられている郷土料理「なすそうめん」に見てとれる。 「なすそうめん」は、なすとそうめんを煮こんだ料理。 そうめんは柔らかく煮こまれているため、麺料理というより煮物に近い感覚で食べらている。

にしんの昆布まき

24002298_s 日本海に突き出た能登半島は、古くから海運の要衝を担っており、地域外との交易や文化交流が盛んだった。 特に食文化に大きな影響を与えたのが、江戸時代に活躍した「北前船」である。 北前船とは、日本海の航路を介して北海道と大阪を行き来した商船群のこと。 北海道や北陸で仕入れた米穀や海産物を大阪で売りさばき、北海道への航行では積み荷に大阪の雑貨や酒などを満載した。 能登地域は、北前船の寄港地になっており、各地からあらゆる物資が運び込まれた。 北海道からの物資で特に多かったのが、ニシンと昆布である。5月の伝統行事として、能登地域の七尾市に伝わる「青柏祭(せいはくさい)」の祝い唄「七尾まだらの脇唄」でも、北前船が運んできた昆布とニシンがうたわれている。 北前船のニシンは、保存を目的に内臓を取り除いて干した「身欠きニシン」に加工されて運びこまれる。 能登の大きな港町には、そのニシンを貯蔵するためのニシン蔵があったという。 その身欠きニシンと昆布を使った伝統料理が「にしんの昆布まき」。戻した身欠きニシンを芯にして昆布を巻き、甘辛く煮こんだものである。

金沢名物の歴史は奥深い!

2667906_s この記事をきっかけに、金沢名物の歴史に触れてみては?