あなたは日本三大饅頭(まんじゅう)って知ってますか?
- 薄皮饅頭
- 志ほせ饅頭
- 大手まんじゅう
なのですが、なんと日本三大まんじゅうサミットまで行われるとか。
薄皮饅頭とは?についてもご紹介しています。
そこで、この日本三大饅頭について、その由来や特徴について調べてみました。
目次
- 日本三大饅頭(まんじゅう)って?
- そもそも饅頭(まんじゅう)とは?
- 饅頭(まんじゅう)の種類
- 日本三大饅頭(まんじゅう)は何?
- 日本三大饅頭(まんじゅう)の由来
- 日本三大饅頭1「薄皮饅頭」
- 日本三大饅頭2「志ほせ饅頭」
- 日本三大饅頭3「大手まんじゅう」
- 日本三大饅頭(まんじゅう)サミット
- 日本三大饅頭(まんじゅう)をぜひ
日本三大饅頭(まんじゅう)とは
和菓子にはいろいろな種類がありますが、中でも饅頭(まんじゅう)は最も親しみのあるものの一つでしょう。
中に甘いあんが入った、いわゆる和菓子の饅頭だけではなく、中華まんなども饅頭の仲間です。
では、饅頭にも「日本三大」和菓子のようなものはあるのでしょうか。調べてみました。
そもそも饅頭(まんじゅう)とは
ではまず、「饅頭」とはどういう「定義」があるのでしょうか。
調べてみたところ、小麦「など」を練って作った生地に、あんを包み、蒸した菓子のことだ、という説明がありました。
つまり、生地で具を包んで蒸したものすべてが「饅頭」ということになるようです。
というのは、饅頭(まんじゅう)の由来は中国の饅頭(マントウ)という食べ物に遡ることが決定しているからです。
このマントウ、3世紀の蜀の時代の宰相である諸葛亮が、川の氾濫を沈める人身御供の代わりに小麦粉で練った川に肉を詰めて、人間の頭に見立てて川に投げ込んだものだとか。だから「頭」という漢字が使われるのですね。
さて、このマントウが日本にやってきたのは、1241年、もしくは1349年だとされています。1241年説のほうは南宋で学問をした僧侶円爾が博多でこの作り方を教えたとする説です。
1349年のほうは禅宗の僧と共に日本にやってきた林浄因が持ってきたもので、肉食ができない僧侶のお茶うけとして小豆を使うようになったとするものです。
その後、饅頭は寺院の軽食として、また一般のお菓子として広まります。
当時はいわゆる甘い饅頭と、中に野菜を入れた菜饅頭があり、菜饅頭は寺院の軽食として長い間食べられていました。
さらに江戸時代以降になり、南蛮菓子や中国菓子の製法が伝わる過程で、いわゆる「焼き饅頭」が作られるようになり、日本独自の製法として定着しました。
四季の移ろいを伝える日本の和菓子。
生菓子や干菓子をはじめ様々な種類があり、その数は、星の数ほどあると言われています。
身近な方への手土産やお持たせとしてもおすすめの和菓子には、どんな種類があるのか?和菓子の種類と合わせて人気のアイテムを紹介します。
饅頭(まんじゅう)の種類
このように、饅頭は使う生地、中のあん、加熱の方法により、多様な種類の和菓子が見られます。
たとえばあんパンも、饅頭の製法が利用されていますし、和菓子の最中ももともとは最中というお菓子に小豆餡をはさんだ「最中饅頭」だったとされています。以下、代表的なものについて説明します。
茶饅頭
一般的な小麦粉を使って作る饅頭が茶饅頭になります。
小麦粉に黒砂糖や砂糖などを混ぜてあんを包んだもので、文字通り定番の和菓子であり、さまざまな種類があります。
日本三大饅頭の薄皮饅頭はこのタイプで、最近では蒸すだけではなく、衣などをつけて揚げたもの(揚げ饅頭)や、カステラ風の生地でつつみ、焼いたもの(焼き饅頭)などもあります。
薯蕷饅頭
上用饅頭とも言います。
薯蕷とは長いものことで、すりおろした長いもを使うのが特徴です。
長いもや山芋をすりおろすことでその粘りを利用し、米粉を練り上げます。長いもを使うことでしっとりした食感があり、祝い菓子などにも使われます。
日本三大饅頭の志ほせ饅頭がこのタイプで、志ほせ饅頭が古い歴史を持つことから、「塩瀬」という名前で呼ばれることもあります。
酒饅頭
麹に酵母を繁殖させた酒母を使い、小麦粉の生地を発酵させることでふくらませたものです。
1874年、日本で初めてあんパンが作られましたが、このあんパンは酒饅頭の工法を利用して日本人の口に合うように作ったと言われます。
三大饅頭のうち、大手まんじゅうがこのタイプです。
水饅頭(葛饅頭)
小麦粉ではなく、くず粉で作った生地であんを包んだもので、そのまま冷やして、もしくは水に浸して供されることもあります。
中のあんが透けるため透明感があり、涼し気であることから、夏の和菓子として特に有名です。水仙饅頭とも呼ばれています。
日本三大饅頭(まんじゅう)は何?
日本三大饅頭とはどの饅頭を指すのでしょうか。
一般的に三大饅頭として挙げられるのは、
- 福島の「薄皮饅頭」
- 東京の「志ほせ饅頭」
- 岡山の「大手まんじゅう」
の3つが決定的です。
いずれも全国的な知名度が高いうえ、古くからの歴史を持つ饅頭として、よく知られています。
日本三大饅頭(まんじゅう)の由来
なぜこの3つが日本三大饅頭と呼ばれるようになったのか、ということなのですが、直接的にはいろいろな日本三大をまとめた事典の中で取り上げられたことで決定したようです。
以下それぞれの饅頭について説明していきますが、どれも古い歴史を持ち、数多ある饅頭の特徴を備えているという点では、まさに代表的なものと言えます。
日本三大饅頭1「薄皮饅頭」
薄皮饅頭の由来
薄皮饅頭は福島県郡山市の柏屋が製造販売している饅頭です。
饅頭そのものの歴史としては他の2つよりも新しいのですが、それでも1852年から作り始められています。
この年、柏屋の初代当主本名善兵衛が薄皮茶屋という店を開き、そこで販売し始めたのです。
当時、郡山は奥州街道の郡山宿が置かれ、多くの旅人が往来していました。
その旅人を相手に、こしあんを小麦粉の生地で包んで作った饅頭を売ったのが薄皮饅頭の由来です。
1852年とは、日本ではペリーが来航したころに当たりますから、幕末からの歴史を持つものということになります。
薄皮饅頭の特徴
小麦粉に黒糖を混ぜて作った生地に、こしあん、つぶあんが入っています。
黒糖が使われているため、皮が茶色であること、名前の通り皮が薄く、あんがたっぷりつまっているのが特徴といえるでしょう。
現在温泉地などで売られる饅頭はこの饅頭と同じようなものが多く、その意味では「饅頭といえばこれ」と言える一品です。
定番であるがゆえに、そのまま食べるのはもちろんですが、さまざまなアレンジを加えて楽しむ人も多いと言われます。
焼いたり、衣をつけて揚げたり、凍らせたり、そのアレンジの多様性も薄皮饅頭が有名であるがゆえと言えるでしょう。
また2010年には「春のまんじゅう祭り」が行われ、重さ159キロの薄皮饅頭に入刀する薄皮大萬寿開きも行われました。
日本三大饅頭2「志ほせ饅頭」
志ほせ饅頭の由来
志ほせ饅頭は、東京都の塩瀬総本家が製造販売しています。
最初に饅頭の歴史について書きましたが、その中で1349年に林浄因が持ってきたという説がありました。
この饅頭は僧侶はもちろん、寺院に来る人にまで評判となり、後村上天皇に献上までされるようになりました。
その後、浄因の子孫紹絆によって薯蕷饅頭が作られるようになります。
続いて1575年の長篠合戦の際、塩瀬の7代目宗二が饅頭を献上し、将軍家や宮中にも大評判となりました。
それ以降現在に至るまで、職人の手作業による饅頭が作られています。
つまり、1349年に到来した製法が守られた饅頭ということになります。
志ほせ饅頭の特徴
志ほせ饅頭は薯蕷饅頭と言われるタイプの饅頭です。
山芋をすりおろしたものに上新粉と砂糖を加えて練って生地をつくり、あんをくるんで蒸します。
山芋のねばりを利用することでしっとりした口当たりになります。
祝い事などで使われる紅白饅頭などもこのタイプの饅頭ということになります。
志ほせ饅頭は饅頭の祖である林浄因が作りだしたことから、薯蕷饅頭のことを「塩瀬」「塩瀬饅頭」と呼ぶ場合もあります。
まさに饅頭の祖であり、多くの饅頭の根本になるものと考えていいでしょう。
日本三大饅頭3「大手まんじゅう」
大手まんじゅうの由来
大手まんじゅう(大手まんぢゅう)は岡山市の大手饅頭伊部屋が製造販売しています。
店が創業したのは1837年のことで、その当時、店が岡山城の大手門のそばにあったことから、当時の岡山藩主池田斉敏により「大手まんじゅう」という名前が決定されたという由来があります。
以後、岡山藩代々の藩主によって愛された大手まんじゅうですが、岡山市出身の小説家である内田百閒が特に好み、随筆などにもたびたび取り上げた菓子としても知られます。
たとえば「第二阿房列車」の中では「大手饅頭なら潰されてもいい」と書いているとか。
大手まんじゅうの特徴
大手まんじゅうは饅頭の中では酒饅頭のタイプになります。
酒饅頭は酒母を使って小麦粉の生地を発酵させてふくらませるのですが、大手まんじゅうでは甘酒を使います。
甘酒を作り、それに小麦粉を調合して発酵させた生地であんを包みます。
生地が薄く、あんが透けて見えるのが特徴です。
岡山の銘菓というと、吉備団子が有名ですが、大手まんじゅうは特に地元の人にはなくてはならないお菓子となっており、現在でも「大手」と略称で呼ばれることもあると言われます。
また、できたての温かいものは甘酒のコクが感じられることから特に人気が高く、温かいものを選んで買う人も多いそうです。
岡山県の和菓子としてかれこれ180年以上も愛され続けているのが大手まんじゅうです。
現在この大手まんじゅうは岡山市内のお店だけでなく全国の販売店で買えるようになっており、お土産としてだけでなく自分用に買って帰る人も少なくありません。
日本三大饅頭(まんじゅう)サミット
さて、日本三大饅頭なのですが、なんとサミットもあります。
第一回が開催されたのは2016年4月のことで、東日本大震災から5年が経つことから「震災復興から未来へ!」というテーマで、郡山市の柏屋で行われました。「第一回日本三大まんじゅうサミット in Fukushima 2016」ということで三大饅頭の三社のパネルディスカッション、試食会などが行われ、「日本三大まんじゅう宣言」が採択されました。
このサミットで出された宣言の中では、饅頭を未来へ継承すること、饅頭文化を世界へ発信し、世界に認められる文化となることを目指すことなどが決定されました。
日本の饅頭文化の魅力を世界に向けて発信していくことがこのサミットの重要な役割と言えるでしょう。
第二回の日本三大まんじゅうサミットin Tokyo 2016は2016年9月に東京の塩瀬総本家で開催されました。
このサミットでは塩瀬総本家の34代目当主による基調講演、三社それぞれの当主によるパネルディスカッション、試食会があり、それぞれの歴史や理念などを伝える場となっています。
第三回のまんじゅうサミットの開催が決定したら、ぜひ内容を知りたいですね。
日本三大饅頭(まんじゅう)をぜひ
饅頭は和菓子の中でもなじみ深いものの一つです。
おやつにするのもいいですし、お土産として決定するのもいいかもしれませんね。
それぞれの土地に出かける機会があったら、ぜひ食べ比べてみたいものです。おやつは饅頭で決定ですね。
薄皮饅頭なら末広堂もお忘れなく
末広堂のうすかわまんじゅうは、平成10年5月16日「第二十三回全国菓子大博覧会」にて内閣総理大臣賞を受賞。
特徴
- 抹茶:抹茶を練りこみました
- みそ:金沢の地みそを使った素朴な味わい
- 白・抹茶ミックス:二つの味が楽しめます
- うす塩:能登の手作り撒き塩をつかったさっぱりした甘さ
手作りの風味(やさしい甘さと小豆の香り)
良質な北海道小豆を使用した餡を皮で包んでつくりました。