こんにちわ。
慶応3年創業の老舗和菓子店「末広堂」です。
お世話になった方へのお礼や贈り物を用意するタイミングのひとつとして、「お中元」や「お歳暮」など挨拶行事があります。
企業内でもお世話になっている会社に感謝の気持ちを伝えることが日本ではしきたりのようになっています。
でもお中元やお歳暮はいつ贈る物なのでしょうか?
お年賀や内祝いなどについては、別の記事でご紹介しています。
お年賀とは?意味や由来【相場や渡し方等知っておくべきマナー】
今回の記事では、お中元とお歳暮の違いや受け取り方などの注意点をご紹介しています。
お中元とお歳暮の意味
まずは、お中元とお歳暮そろぞれの意味について、解説します。
お中元とは
お中元とは、道教に由来する年中行事で三元のひとつです。
仏教では、盂蘭盆節(読み方:うらぼんせつ)と呼びます。
盂蘭盆会とは、太陰暦7月15日を中心に7月13日~16日の4日間に行われる仏教行事のことです。
この時期を盂蘭盆とかお盆と言います。
お中元は、この時期に、会社などで日ごろからお世話になっている企業や目上の方に向けて送ります。
お歳暮とは
お歳暮とは、歳の暮と書きますので、1年の締めくくりにお礼の気持ちとして贈る物です。
年末が近づく頃になると、昨年贈った取引先を確認する業務が始まる企業もあります。
年の終わりに神様やご先祖様へお供え物をするという風習が起源ともいわれています。
始まりは、江戸時代までさかのぼります。
毎年2回の盆と暮れの時期に長屋の大家さんが取引先へ「お世話なっています、これからもよろしくお願いいたします」という意味を込めて、贈り物を持参したのが始まりのひとつと言われています。
つまりは、商業の中での習慣が結びつき、現在のような形になったといわれています。
お中元とお歳暮の違い
お中元とお歳暮の違いについて、解説します。
お中元とお歳暮の優先順位は、1年を通じた挨拶として、お歳暮を重視する風潮があります。
どちらも感謝の気持ちを伝える行事として、大切にしている企業も多いです。
時期の違い
時期は、大きく異なります。
お中元を贈る時期は、7月初旬から8月中旬まで。
お歳暮を贈る時期は、12月10日~20日頃。
13日から20日までに贈るという考え方もあります。
12月13日は何の日?
「正月事始めの日」とも言われており、正月の準備を始める日です。
20日までとされている理由
20日以降は年越しの準備を始める時期になるためといわれています。
つまりは、配送の手配や遅れないように準備するには、11月末には配送の手配を整えておくことが大切です。
エリアによる違い。
- 関東:12月初旬から12月31日までに届けることが一般的なルール
- 関西:関東よりも若干期間が短い(12月13日から31日までに届けるのが一般的。
- 北海道,東北,北陸,東海,中国・四国,九州では、12月10日以降もしくは13日から20日頃といわれています。
- 沖縄:12月始め~12月25日頃まで。
配送会社によっては、12月に入る前から発送を始める会社も増え始めました。
年越し間際にならないようにする。
この気配りから、早めの行動となったともいわれています。
商品の違い
時期が異なると、贈る品物も異なります。
夏の次式に贈るお中元では、旬の果実やゼリー、果汁、スタミナに関係する鰻や魚介、ビールなど飲料ものを贈り、快適に過ごすためという意味を込めていることが多いです。
お歳暮では、年末年始の家族の集まり等で団らんの場で楽しめるような贈り物を選ぶ傾向があります。
例えば、食料品(お肉や魚介、和菓子、洋菓子などのお菓子類)、お茶、日本酒などの飲料も多いです。
相場の違い
相場は、3000円~5000円が一般的です。
お中元よりもお歳暮の方が少し高級なものを選ぶことが一般的です。
熨斗は違うの?
熨斗の表書きが異なりますが、水引きはどちらも同じです。
いずれも「紅白の蝶結び」で大丈夫です。
意味は、「何度あっても嬉しい」です。
御中元は、地域ごとに書き方が異なります。
注目するべきは、「時期によって、熨斗の表書きが異なります」。
関東では7/15以降は、「暑中御見舞」
立秋を過ぎると「残暑御見舞」
と使い分けます。
関西では、「暑中御見舞」は使いません。
8/15日を過ぎると「残暑御見舞」を使用するので、注意が必要です。
お歳暮におすすめの商品
大手通販サイトのランキングを見ると、以下のようなお取り寄せ商品がランキング上位に入っています。
- 日本ハムやソーセージ
- 牛肉
- フルーツジュース
- ビール
- さんまの丸干しなどの干物
- ししゃも、あわび、貝づくしなど海鮮系食品
- アイス
- スイーツアソート
御歳暮と和菓子の関係
御歳暮が始まったのは、室町時代からと言われています。
その後の明治時代から江戸時代には、御一般的な風習として広がっています。
【お歳暮の由来】
御中元もお歳暮も中国に古くから存在する監修で道教の行事から由来されていると言われています。
中国の道教では、旧暦の1月15日を「上元」、旧暦の7月15日を「中元」、10月15日を「下元」=解厄の日とし、先祖の霊を祀る日とされており、災厄を逃れるように祈る日とも言われています。
しかし、日本ではまだまだ定着していない日もあります。
お中元、お歳暮を贈る時のマナー
お中元やお歳暮を先方に贈る際のマナーについて、解説します。
持参する
営業の挨拶まわりなどでは、時間に注意をしましょう。
午前なら、10時から11時。
午後なら、2時から4時くらい。
どちらも早朝や食事時を避けることを意味します。
郵送する場合
遠方に住む両親や離れている方に品物をお送りする際には、「送り状」を郵送するようにしましょう。
品物に同封するよりも先に送付するほうが丁寧です。
送り状の書き方
送り状の書き方を簡単にご紹介します。
1.送付年月日を記載します。
2.送付先の会社名と氏名を左上の宛先に記載をします。
3.差出人の会社名と氏名、送付年月日の下に書類の送付元である差出人の情報を記載します。
4.冒頭と結語
5.あいさつ文
6.記、以上を使う
送付状の送り方
送付状は、書類の一番上にして送ります。
用紙サイズは、A4です。
郵送する際には、封筒のサイズは「長3封筒(定型郵便物)」にて3つ折りにするか、A4サイズをそのまま送付可能な「角2封筒(定型外郵便物」で用意しましょう。
郵便料金が異なりますので、必ず確認をしておくことも大切です。
熨斗の書き方
熨斗の書き方は、表書きは楷書体を使って書きましょう。
水引は、「赤」と「金色」で印刷されている紅白の5本花結び(蝶結び)のついたデザインのものを選びましょう。
表書きには、水引の上に、「御中元」、「お歳暮」などを記入します。
下の段には、小さめの文字で、自分のフルネームを書きましょう。
連名の場合は、右に目上の人、左側が目下の人の名前を書きます。
連名は、3名までです。
お中元、お歳暮を受け取る時のマナー
御中元もお歳暮も感謝の気持ちを伝えるものですから、受け取る際には、基本的には、お返しをする必要はありません。
品物を受け取ったら、お礼状をなるべく早く出しましょう。
お電話をするという企業もありますね。
お返しの品を贈りたいという場合には、品物にお礼状を添えるのもよいといわれています。
品物を選ぶ際には、金額は同程度とするまたは「半返し」といわれている半額くらいの品物を贈るようにしましょう。
御礼状の書き方
御礼状の書き方について、ご紹介します。
時候の挨拶
お中元の場合、7月なら、「大暑の候、盛夏の候、猛暑の候」
8月であれば、「晩夏の候、立秋の候、残暑の候」といった季語の挨拶があります。
時候の挨拶の後には、相手との関係によって文のスタイルは変化します。
相手の健康や安否について尋ねる文を記載します。
続いて、お中元をいただいたことへのお礼の気持ちを書きましょう。
お礼を述べた後には、「結びの挨拶」を書きます。
時期によって結びの挨拶は、異なります。
御中元なら、
7月「残暑の折から、ご自愛くださいませ」
8月「暑さ厳しき折、皆様方のご無事息災を心よりお祈りいたします」
等があります。
お歳暮なら、
「末筆ながら、ますますのご健勝とご多幸をお祈り申し上げます」
等があります。
結語の後には、日付と差出人名を記載しましょう。
御礼状の場合、日付は「御礼状を書いた日」で記載します。
西暦や年号から記載するのを忘れて、月日だけになっても問題はありません。
お返しはいつまで?
お返しもエリアによって、異なります。
関東:元旦~1月7日まで。
1月7日は何の日?
「松の内」と呼ばれる期間となります。
お正月飾りを出しておく期間となっているため、この日を境目とする考え方が広がっています。
関西:元旦~1月15日まで。
1月15日は何の日?
こちらも「松の内」に由来します。
万が一、贈るのが遅くなってしまったら?
このバイは、遅くとも2月4日の「立春」までには届くように手配をするように心がけましょう。
贈り先が喪中の場合
御歳暮のシーズンになって、先方が喪中であったことが発覚した場合でも、御歳暮を贈ることはできます。
しかし、この場合は、紅白のものなど祝いを連想させる品物を避けることが大切です。
「紅白の水引」を使用せずに、「白無地の奉書紙もしくは、無地の短冊にお歳暮と記載をして贈るのが一般的です。
送付や持参をする前に喪中(49日以内)であることを知った場合は、御歳暮であっても送ることを避けたほうが良いでしょう。
この場合は、「松の内」から「立秋」の間の期間を利用します。
表書きは、「寒中御見舞い」や「寒中御伺」として、おくります。
贈るタイミングは重要です。
1月1日~7日もしくは15日以内になると、御年賀となってしまうからです。
オンラインショップを利用される際にも、送付日を伝えておくようにしましょう。