こんにちわ。
慶応3年創業の老舗和菓子店「末広堂」です。
当店は、石川県金沢市の兼六園そばにございます。
このブログでは、日本全国の和菓子の魅力をお伝えしております。
和菓子関連記事。
今回の記事では、鹿児島県民のソウルフードとしても知られている軽羹について、わかりやすく解説します。
軽羹とは?
軽羹は、鹿児島県をはじめとする九州・沖縄地方特産品。
すりおろした大和芋やつくね芋とうるち米を半渇きで粉状ににした「かるかん粉」を混ぜて蒸した皮。
見た目は、純白で、やわらかい生地が特徴です。
名前の由来は、「軽い羹(羊羹)」という意味であるといわれています。
本来は、外郎となどと同じ分類だったのですが、饅頭状にしたり、中に餡を仕込んだものなどが一般的になています。
軽羹の歴史や由来
かるかんがいつから作られているのかについては、はっきりと明記されたものが見つかっておりません。
最初の書物の記録としては、島津家二十代綱貴の五十歳の祝いの席で出されたものと記述されています。
一緒に出されていたお菓子の中には、ういろう餅、羊羹、焼きまんじゅうなどがあったとされています。
当時の価格は、現代の価格に換算すると、10万円程度といわれており、庶民が口にできるものではなかったと思われます。
しかし、山芋、米粉、砂糖で作った蒸し菓子であることや九州地方の中でも特に鹿児島県の名産品として知られています。
その背景に歯、かるかんが生まれたルーツに関係します。
かるかんが生まれたのは、江戸時代の薩摩国です。
江戸時代後期となる1854年(安政元年)に、播摩国明石出身の八島六兵衛という菓子職人によって考えられたとされています。
鹿児島から城下町にうつり、菓子店「明石屋」が開業しています。
現代のかるかんは、藩主の島津斉彬の命でつくったお菓子といわれています。
そして、鹿児島名物となり、やがて九州各地で親しまれるお菓子になったようです。
かるかん饅頭との違い
かるかんとよく似たお菓子に「かるかん饅頭」があります。
どちらも鹿児島の名物です。
軽羹饅頭の特徴
軽羹にこしあんを入れたものが軽羹饅頭です。
軽羹饅頭は、形状にも特徴があります。
かるかんは、四角い形が特徴的ですが、軽羹饅頭は、饅頭と同じ丸いドーム型になっています。
軽羹饅頭はいつから?
軽羹饅頭は、明治40年に創業した東京都中央区の清月堂が元祖といわれています。
清月堂の初代水原嘉兵衛は、鹿児島生まれで、東京に上京し、清月堂を開業したました。
その際、かるかんからかるかん饅頭を考えたといわれています。
軽羹はまずい?美味しい?どっち?
和菓子でも洋菓子でも味の好みはあります。
まずいという意見もありますね。
相手の好みもわからない時、あんこ一つでも、粒あん、こしあんに悩みますよね。
おいしい、好きな人の特徴
- 山芋が入っていることでモチモチした食感が好き
- お茶でもコーヒーでも合うところが良い
まずい、嫌いという人の特徴
- パサパサしている
- モッサリしている
- それほどふわふわした食感ではない
米粉を使ったお菓子やパンでも似たような書き込みがあります。
つまり、ふわふわのパンを想像している方にとっては、餅みたいと感じるかもしれません。
米粉は、好みがわかれますので、食べたことがない方は、まずは米粉のパンなどを試してみるとわかりやすいのではないでしょうか?
軽羹の有名なお店はどこ?
鹿児島土産の軽羹で有名な老舗をご紹介します。
御菓子司 明石家
江戸の風月堂主人の推挙を受けて、その菓子作りの技術と工夫に熱心なところを評価されたことが残されています。
公式サイト内では、英語対応、インターネット通販などのページも用意されています。
薩摩蒸気屋
地元の人なら知らない人はいないとまで言われている有名店といえば、「蒸気屋」。
本社は霧島にあります。
薩摩菓子処「とらや」
明治17年創業の老舗和菓子店です。
新しい味を生み出す技術と創業当時の味を守る技術が組み合わさって、古いものを守りながら、新しいものを送り出す老舗のこだわりを感じられます。
芸能人御用達「富久屋」
創業1860年の老舗菓子店。
全国菓子大博覧会でも「名誉会長賞」といった大きな賞を受賞している有名店。
テレビやメディアでもたびたび紹介されているため、知名度があります。
他にも、文旦堂など、色合いにこだわった商品などもありますので、地元のお店をチェックするのも楽しいですよ。