こんにちわ。
慶応三年創業の老舗和菓子店「末広堂」です。
夏の和菓子といえば、ほどよい水分量があって、上品な甘さがほしくなりませんか?
夏にぴったりの和菓子と言えば、「ようかん」。
日本でも古くから親しまれているお菓子のひとつです。
羊羹の歴史や名前の由来についてもご紹介しています。
羊羹の栄養成分やカロリー、美容効果【食べる時間や食べ方のコツ】
今回の記事では、ようかんの種類について、分かりやすく解説しています。
ようかんの起源や歴史
羊羹はもともと中国の料理で、羊(ひつじ)の羹(あつもの)という、羊の肉を煮込んだスープのことだったんです。
なので、中国で「羊羹」と言えば、羊の肉やゼラチンを使ったスープのことになります。
日本へは、鎌倉時代から室町時代にかけて、中国に留学した禅僧によって「点心(てんしん)」(食事と食事の間に食べる間食のこと)としてもたらされました。
しかし、禅宗では肉を食べること(肉食)が禁じられていました。
そこで、精進料理として羊肉の代わりに小豆を使った「羊羹」が日本での始まりだと いわれています。
初期の羊羹は、小豆を小麦粉または葛粉と混ぜて作る蒸し羊羹が主流でした。
当時の砂糖は日本ではまだ生産することができなかったので、大変高価で貴重なものでした。
なので、一般的な羊羹には甘葛などが使われていて、砂糖を使った羊羹は「砂糖羊羹」と呼ばれ、区別されていました。
「芋羊羹」や「ういろう」は蒸し羊羹から派生して生まれたものです。
琉球王国や奄美群島などで黒砂糖の生産が始まり、薩摩藩によって砂糖が日本本土に持ち込まれると、砂糖の希少性が薄れ、お菓子が庶民に広く知られるようになった江戸時代の後期(1800年頃)には、現在の主流である、寒天と餡を用いた練羊羹が作られるようになり、形も細長い棒状のものになりました。
その後、練羊羹を半練にしたものや、水分を多くした水羊羹が開発されました。
水羊羹は当初、おせち料理の料理菓子として冬の時期に作られていましたが、冷蔵技術が普及するようになると、季節を問わず生産することができるようになったため、冬よりも夏に出回るようになりました。
時代の変化に伴い、砂糖の希少性が薄れたことや寒天と餡を用いた煉羊羹の誕生など、歴史をふりかえってもいろいろな変化が見られます。
戦時中には、満州、韓国、台湾に伝わっていきました。
中国では、「ヤンカン」と呼ばれているのですが、材料は、小豆や栗を使用します。
他にも、中国独自に、りんごやサンザシを加えてフルーツ風味も出ています。
現在では、羊羹はお土産やお中元、お歳暮などの季節の贈り物に適しているのはもちろんのこと、保存期間が長いということから非常食や運動時の栄養補給として利用する人も多いです。
特に、井村屋のえいようかんは、保存期間がなんと5年ももつということで、保存食としてはもちろん、災害時の非常食にも適しているということで、人気があります。
羊羹の主な種類
主に3つの種類があります。
- 練り羊羹
- 水羊羹
- 蒸し羊羹
順にご紹介します。
練り羊羹
贈答品の定番としても有名です。
練り羊羹とは、寒天を煮溶かして餡と砂糖を加えて、練り固めたものです。
【主な材料】
- 小豆
- 白餡
- 水
黒糖や抹茶等を組み合わせたものもあります。
水羊羹
水羊羹とは、寒天を煮て溶かして、こしあんを混ぜた後に、型に流し込み固めたもの。
【練り羊羹との違い】
寒天、砂糖、こし餡の量が少なめになっています。 そのため、口当たりがなめらかになりますし、あっさりするのが特徴です。
蒸し羊羹
蒸し羊羹とは、小豆のこし餡に小麦粉、くず粉または片栗粉、砂糖、水などを混ぜて煮たもの。
栗蒸し羊羹の場合は、栗の甘露煮が加わっています。
【練り羊羹との違い】
- 糖度が低い
- あまり日持ちしません
羊羹の中でも、生菓子に近い状態になります。
末広堂の羊羹の特徴
末広堂では季節限定として、ようかんを出しております。
2021年のお客様の声
今日のおやつタイム🍵 金沢末広堂の水菓子。綺麗な色☺️ 中はあっさり梅羊羹です。 pic.twitter.com/jp31ZqIRQs
— いちごん☆ (@La1B5) May 27, 2021
2019年のお客様の声
末広堂さんの水羊羹をいただきました。青いもみじのような葉の上に金箔がのっています。涼しげです。美味しくいただきました😃 pic.twitter.com/Of1hjnxege
— グリグリーン (@mgurigreen) June 6, 2019
酒粕の羊羹口コミ
末広堂さんで帰省する時のお土産買って来た! で、駐車場で買った物をもぐもぐ食べるのだが、初めて買った『竹原絵巻』酒粕の羊羹が美味しくてもっと買えば良かったなって思う(。-_-。) また来年買いに来よっと☆
— よね吉 (@yone5566) December 30, 2016
羊羹がおいしい有名なお店
全国には、おいしい羊羹がたくさんあります。
五勝手屋【北海道】
明治時代の賞状を元にしたレトロなデザインが印象的な一品。
北海道産の豆と北前船から運搬されてきた寒天砂糖を使用。
明治3年から羊羹の製造販売を始めた老舗。
玉嶋屋【福岡県】
江戸時代から続く老舗店「玉嶋屋」。
明治12年に、戦地でも食べやすいようにと工夫されたパッケージが印象的。
形状も見た目に可愛い丸いデザインを採用。
三ツ山羊羹本舗【栃木県】
明治28年創業の老舗店。
一口羊羹として、四角いデザインで重厚な甘味を堪能できます。
奥深い色合いで、食器などの色合いにもマッチしやすい一品。
食べごろにも特徴があります。
1週間ほど経過すると、表面に砂糖が浮き出してくるのが食べ時のサイン。
とらや【東京都】
室町時代後期に、京都で創業。
和菓子の中でも老舗店として有名なお店です。
代表作は、「夜の梅」、「おもかげ」、「新緑」、「はちみつ」、「紅茶」など、それぞれの素材にこだわった種類があります。
いずれも小形サイズのため、食べきりでお役様用にも使いやすいです。
日本橋 長門【東京都】
代々徳川家の菓子司として菓子製造に携わってきた老舗。
竹皮に包まれている「切羊羹」は、すでにカットされているため、手間が少ないのも魅力的です。
お酒のお供にもおすすめの一品なので、贈り物としても喜ばれています。
松葉屋【石川県】
嘉永5年(江戸時代末期)に創業した老舗。 栗むし羊羹「月よみ山路」は、創業当時の味を引き継いで、今でも職人の手続きりにこだわっています。
上品な甘さとなめらかな舌触り、さらに栗がぎっしりつまっているのも特徴です。
羊羹の賞味期限
老舗や有名なお店で購入したいけど、日持ちするのか心配。
こんな悩みを解消します。
練り羊羹でも、店舗によって大きく異なります。
短い期間の商品なら、2.3日で、長い商品では、1年という商品もあります。
和菓子の他の商品の賞味期限についてもご紹介しています。