和菓子の歴史や名前の由来【洋菓子との違いや種類の特徴】

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  • 和菓子の歴史は意外と知られていない。
  • 和菓子の歴史を深く知りたい。

日本の伝統のあるお菓子といえば、和菓子。

中国から伝わったお米が、長い時代を経て、米粉をはじめ、さまざまな材料に生まれ変わっています。

さらに、加工の技術、職人の手によって、一般の人向けにもさまざまな商品が届くようになりました。

そんな和菓子の歴史や種類に注目すると、また楽しみ方が変わってきます。

和菓子には、四季に合わせて、季節にちなんだ商品があります。

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今回の記事では、和菓子の歴史について調べた結果をまとめます。

和菓子の歴史は長い

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食が充分ではなかった古代人は、空腹を感じると野生の「古能美」(木の実)や「久多毛能」(果物)を採って食べていました。

この間食が「果子」と呼ばれるものになったと考えられています。

食べ物を加工する技術のなかった太古には、果物の甘みを特別な恵みと感じ、主食と区別していたのでしょう。

古代から栽培されていた果実、栗と柿。

栗 / 日本に自生していた野生のクリ「シバグリ」。

果実が小さい。

柿 / 1214年に現在の川崎市で発見され、甘柿として日本で最初に記録された。

【年表でわかりやすくまとめてみた】

奈良時代
737年但馬国から飴が献上される
754年唐僧「鑑真」がはちみつ、石光、蔗糖、甘庶をもたらす
平安時代
804年最長が唐より砂糖を持ち帰る
806年空海、唐国から煎餅の製法を伝える
860年麦の粉製の「青ざし」が作られる。
1005年頃源氏物語に椿もちひ、粉熟の名がみえる
1069年羹(あつもの)の使用が盛んとなる
鎌倉時代
1192年明恵上人、宇治に茶を移植する
室町時代
1444年砂糖が日明貿易の一部となり薬や高貴者に用いられた
1543年ポルトガル人が種子島に鉄砲を伝える
1549年フランシスコ・ザビエル布教のため鹿児島に上陸。葛やき餅、わあび餅、拘把餅、笹餅、御所用餅、ちまその他が茶味として用いられる
1571年信長が元旦に安土城で将に南蛮菓子を振舞う。
1573年南蛮菓子の輸入が盛んになる。
1578年秀吉が来たので大茶会を催す。この時、練り羊羹が諸大名に披露される。他にも、米煎餅、きんとん、羊羹、上り餅、みたらし、団子、ちまき、わらび餅などが料理から離れる。
1589年甘草使用羊羹が出てくる
1592年村上等安が秀吉にカステーラや南蛮菓子を計上。
江戸時代
1610年奄美大島で黒砂糖が初めて作られる
1623年琉球で製糖が始まる
1624年ポルトガル人から長崎の福砂屋にカステーラの製法が伝わる
1635年埼玉草加で、そばきり、もち、かたもちが売り出される。(のちの塩煎となる
1637年京都の菓子司が江戸に牛皮の製法を伝える。
1641年オランダ屋敷でパンを売る
など大正、昭和、平成、令和の前には、海外からの流通だけでなく、国内でもさまざまなお菓子に関する歴史が残されています。

日本最古の加工食品

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その後、木の実を天日で乾燥させて保存したり、石臼やこすり石、石槌などで粉砕して保存するようになりました。

農耕が始められていたとはいえ、まだ食べるものが不充分だったその頃、椚や楢の実(どんぐり)も食べていましたが、アクが強くてとてもそのままでは食べられません。

それらの木の実を砕いて粉にして水に晒すことによりアクを抜き、団子状に丸めて熱を加えるなどしたことが団子の始まりといわれています。

やがて、日本最古の加工食品といわれる「餅」が誕生します。

『倭名類聚抄』(934年)などでは、「毛知比」や「持ち飯」と記録されていますが、当時は、何よりも大切な米を原料としてつくられたわけですから、とても神聖なものとして扱われたことが『豊後風土記』などに見ることができます。

古代の甘味「あまづら」とは

現在の菓子の甘味には砂糖を使っていますが、昔の甘味とはどのようなものだったのでしょう。

まず、米を発芽させた「米もやし」を使ってでんぷんを糖に変える「飴」がありました。

後年には麦芽が使われるようになりますが、米もやしの水飴は『日本書紀』にも登場します。

それから、「甘葛」(あまづら)という冬期におけるツタの汁を煮詰めた、一種のシロップがありました。

『枕草子』に「削り氷(けずりひ)にあまづら入れて、あたらしき金鋺(かなまり)に入れたる」とあり、今で言うかき氷にあまづらを入れて金物の器で食した様子がうかがえます。

あまづらは贅沢な貴重品で、長い間、諸国から朝廷や幕府への献納品とされていました。

砂糖が初めて日本に伝わったのは750年頃のことですが、広く使われるようになったのは江戸時代以降のことです。

唐菓子(からくだもの)

やがて遣唐使(630年~894年のあいだに延べ19回派遣されたという)が、唐朝から持ち帰ったものの中に「唐菓子(からくだもの=からがし、ともいう)」がありました。

この唐菓子は、「梅枝(ばいし)」「桃子(とうし)」「餲餬(かっこ)」「桂心(けいしん)」「黏臍(てんせい)」「饆饠(ひちら)」「鎚子(ついし)」「団喜(だんき)」などと呼ばれ、米、麦、大豆、小豆などをこねたり、油で揚げたりしたもので特徴のある形をしており、祭祀用として尊ばれました。

この唐菓子が、大きな影響を与えたと考えられています。

茶道と和菓子の関係

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次に、大きな影響を与えたのは喫茶の流行です。

お茶は鎌倉時代初期(1191年頃)に、栄西禅師が大陸から持ち帰って伝えましたが、やがて喫茶の風が広がり、茶の湯が流行します。

室町時代の茶席には、「点心」と呼ばれる、定時の食事以外の軽食がありました。

その中に「羹(あつもの)」という汁があります。

具材によって「猪羹」「白魚羹」「芋羹」「鶏鮮羹」など48種類の羹があったといわれていますが、その中に「羊羹」がありました。

羊羹は羊の肉の入った汁でしたが、当時、獣肉食の習慣のなかった日本では、羊の肉に似せて麦や小豆の粉などで象ったものを入れました。

その羊の肉に似せたものが汁物から離れて誕生したのが「羊羹」の始まりで、当時は「蒸羊羹」でした。

のちに、寒天が発見され、煉羊羹に変化するのは寛政年間(1800年前後)の頃です。

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羊羹の名前の由来や歴史の背景

茶の湯の菓子としては「打栗」「煎餅」「栗の粉餅」「フノヤキ」などがありましたが、それらが今の発展につながっていきます。

南蛮菓子の渡来と金平糖

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その後、ポルトガル人やスペイン人により南蛮菓子が渡来します。

ボーロ、カステイラ(※カステラのこと)、金平糖(こんぺいとう)、ビスカウト(※ビスケットのこと)、パン、有平糖(あるへいとう)、鶏卵素麺などで、現在でも食べられている原型となりました。

江戸時代に開花

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江戸時代に入って、大きく発展します。

江戸時代以前は、国内で常に戦(いくさ)があり、とても菓子を楽しむということのできない時代でしたが、江戸時代になって戦乱が止み、平和になったことから、菓子づくりに力を注ぐことができるようになり、飛躍的に発展していきます。

日本中の城下町や門前町で独特の商品が生まれたのもこの時代ですし、京都の京菓子と江戸の上菓子が競い合うようにして、菓銘や意匠に工夫を凝らした商品が次々に誕生しました。

現在食べられている多くは、江戸時代に誕生したものです。

明治以降の発展

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明治時代になると、西洋の文化が急速に伝わり、大きな影響を与えました。

中でも西欧の調理器具は、飛躍的な発展をもたらしました。

たとえばオーブンの登場により、栗饅頭やカステラ饅頭などの焼き菓子類の多くが明治以降に誕生したのです。

【創意工夫】

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古来より外来文化などの影響を受けつつ発展してきました。

そして日本人の素晴らしさは、伝来してきた菓子を食して理解し、吸収して自分のものとした上で、単なる物まねではない、優れた日本の菓子を創造したということです。

こうした背景から、日本人の創作性が活かされているといえるでしょう。

和菓子の特徴

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分類の難しさ

和菓子の分類はこのあとの別表に示したとおりですが、一般的によく使われる分類として

  • 生菓子
  • 半生菓子
  • 干菓子

と分ける方法があります。

生菓子には、「みじん粉」や「求肥」などを加えた練り切りやカステラ、団子、あんみつなどが含まれます。

半生菓子には、きび団子、栗きんとん、ぜんざい、甘納豆、最中などが該当します。

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最中の歴史や名前の由来

干菓子の中には、ひなあられ、落雁、おこし、せんべい、金平糖などがあります。

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これは製品に含まれる水分量による分類で科学的には正しいものですが、現実には即していないという面があります。

同じ流し物の羊羹であっても煉りのしっかりしたものは半生菓子になりますし、柔らかく仕上げたものは生菓子に分類されてしまいます。

煉り物の「ぎゅうひ」などにも同じことがいえます。

また、分類の基準にも様々な要素があります。

小分類をみると「餅物」「あん物」など和菓子の材料に由来する分類があるかと思うと、「蒸し物」「流し物」などのように製法による分類、さらには「平なべ物」「オーブン物」などのように製造の際に使用する機器類によるものがあるなど、さまざまな要素が混在してわかりにくいものになっています。

これは和菓子が全国各地で、工夫を凝らして発展してきた食べ物だということも理由のひとつではないでしょうか。

今のように流通や情報伝達が発達していない昔から、誰かに教えられたわけでもなく、地方色豊かな農産物を材料として、さまざまな方法でつくり出されてきたのが和菓子です。

ですから、同じ素材でも、地域によってはまったく違ったものになり、また遠く離れた土地であるのに驚くほど似通った和菓子もあります。

加えて、洋菓子の道具や技法を取り入れたことも、和菓子の種類が多岐にわたって広がった理由と考えられます。

和菓子のお役立ち用語

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和菓子には、覚えておくと役立つ用語もあります。

たとえば「朝生菓子」と「上生菓子」。

朝生菓子は、つくったその日に食べる生菓子です。

草餅、大福、団子など、なじみのある生菓子のほとんどが朝生菓子です。

餅などのでんぷん質のものは、時間をおくとどうしても老化して硬くなります。

やはり本来のおいしさを味わっていただくのが和菓子の真髄です。

そのために、毎朝つくって、その日のうちに食べていただく。

そうしたことから朝生菓子と呼ばれるようになりました。

一方、上生菓子は、手技の技術を生かして、季節の風物を映しとってつくる煉切りなどが代表的なもので、多くの品は2~3日はおいしく召し上がっていただけます。

また、和菓子には、出来たてより、それなりの時間をおいたほうがおいしくなるものもあります。

栗饅頭やカステラ饅頭などの焼き菓子は、つくった翌日のほうがぐんとおいしさが増します。

種と餡がなじんでくるからなのですが、業界ではそれを「戻りが良い」などといいます。

覚えておいていただくと、和菓子の楽しみが広がります。

和菓子の人気ランキング

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子どもから大人まで楽しめる和菓子ですが、世間的には、どんな商品が人気なの?

ランキングは、以下のようなデータもあります。

1位:大福

2位:みたらし団子

3位:たい焼き

4位:わらび餅

5位:桜餅

春の定番から季節を問わず、スーパーやドラッグストア、コンビニ等で購入可能な商品に人気がありますね。

和菓子は、昔から日本でも世界でも贈り物、贈答品として扱われていた商品です。

最近は、フルーツ大福や和スイーツもインスタで映える商品として注目されています。

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和菓子の歴史は深い

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以上、簡単に年表をもとにご紹介をさせていただきました。

これから食べる際には、古代の食べ方などを参考に食べてみてはいかがですか?