こんにちわ。
石川県金沢市で慶応3年創業の老舗和菓子店「末広堂」です。
和菓子にはさまざまな種類があります。
餅、蒸し、焼きもの、練り物、揚げ物などがあります。
製法も材料も形状も店によって異なります。
「今の季節なら何のお菓子がいいの?」
こんな悩みにもお答えしています。
和菓子には、どら焼き、団子、大福、饅頭、おかき・おこし、かりんとう、らくがん等さまざまな素材を使った商品があります。
色も形も素材の特徴を生かした商品がたくさんあります。
日本の文化では、端午の節句や立春、夏至、冬至など四季折々の季語とともに、それぞれの季節を代表する素材を使った和菓子があります。
みたらし団子やたい焼き、栗きんとん、水羊羹などは専門店や老舗以外にもコンビニやドラッグストアでも簡単に購入できます。
美味しい和菓子を探す時、古くからある老舗などで生菓子や上生菓子という文字を見たことはありませんか?
生菓子とか上生菓子という言葉が使われている時、「ん?」と意味について、考えたことはありませんか?
上生菓子は、別の言い方で「和菓子の芸術作品」とも呼ばれています。
お茶の席や正式な行事の席でおもてなしとして出される伝統と由緒あるお菓子です。
和菓子は、筋トレ後やダイエット中の方にもおすすめです。
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今回の記事では、上生菓子と生菓子の違いや歴史、ルーツについて、解説します。
和菓子とは
日本を代表する甘味の一つであり、日本の伝統的なお菓子の総称です。
一般家庭では、子どもから高齢になった方も年齢を問わず、一緒に楽しめるおやつとしても選ばれております。
ビジネスでは、お世話になった方向けのお歳暮、御中元等で縁起の良いお菓子としても選ばれています。
和菓子は、視覚、嗅覚、聴覚、触覚など味覚の他にも、五感すべてで楽しむことから、「五感の芸術品」とも称されています。
和菓子の上生菓子と生菓子との違い
上生菓子と季節の関係
- 季節の移り変わりや古典文学などテーマに基づいたデザイン
- 芸術性の高いお菓子
- 「銘菓」は、「季語」のようなものになります。
- 革新的なデザインや技法を取り入れた和菓子も登場しています
お茶席や茶道では欠かせない逸品です。
季節の花鳥風月をあらわしたテーマの中で、定番の銘菓もあります。
()内には、いつの季語なのかをご紹介しています。
- 紅梅(初春)
- 花衣(春)
- 菖蒲(夏)
- 紫陽花(梅雨)
- 向日葵(夏)
- 光琳菊(夏)
- 月兎(秋)
- 綾錦(秋)
- 落葉(秋から冬)
- 雪平(冬)
【和菓子の種類】
和菓子の種類は、主に水分量によって分類されています。
- 水分量30%以上のものは、「生菓子」
- 水分量10~30%のものは、「半生菓子」
- 水分量10%以下のものは、「干菓子」
上生菓子とは、生菓子の中でも特に上等な生菓子のこと。
日本の長い歴史の中で培われてきた製菓技法を用いて、四季のうつろいや花鳥風月を表現したお菓子のことを「上生菓子」。
別の言い方をすると、「主菓子」ともいいます。
上生菓子の生地
「きんとん製」「ういろう製」などの言い方もあります。
簡単に言えば、何でできているのかをあらわしています。
上生菓子は6種類ある
練り切り
練り切りとは、白餡に砂糖、山芋やみじん粉などのつなぎの食材を加えたあとに、練ったあんを主原料とする生菓子のこと。
正しい名前は、練り切りあんと言います。
こなし
こなしとは、白餡を主原料としています。
【こなしと練り切りの違い】
どちらも餡をベースに作られているので、見た目には見分けがつきにくいです。
製法が違います。
こなしの場合は、白こし餡に小麦粉、上新粉などを混ぜ合わせて蒸しあげたあとに、砂糖などを混ぜて硬さを調整しながら、もみこなす。
練り切りの場合は、白こしあんにつなぎとなる給費や山芋を入れます。
火にかけて練り上げます。
地域的な特徴もあります。
練り切りは、関東が中心です。
こなしは、関西が中心です。
求肥とは
求肥とは、材料のひとつです。
白玉粉または餅粉に砂糖や水飴を加えて練り上げたものになります。
【求肥とお餅の違い】
求肥はもち米を粉末にしたものに水や砂糖や水飴を加えます。
お餅は、蒸したもち米をついて作ります。
違いとしては、味が大きく異なります。
餅は、甘くありませんが求肥は、砂糖などを加えるため甘くなります。
軽羹
軽羹は、鹿児島県をはじめとする九州・沖縄地方特産品。
すりおろした大和芋やつくね芋とうるち米を半渇きで粉状ににした「かるかん粉」を混ぜて蒸した皮。
見た目は、純白で、やわらかい生地が特徴です。
名前の由来は、「軽い羹」という意味であるといわれています。
本来は、外郎となどと同じ分類だったのですが、饅頭状にしたり、中に餡を仕込んだものなどが一般的になています。
道明寺
道明寺とは、水に浸し蒸したもち米を干して粗目に引いた食品のこと。
つぶつぶの食感が特徴です。
練り切りや寒天と合わせるなど用途もさまざまです。
錦玉羹
寒天と砂糖や水飴を煮溶かし、型に入れて固めたものです。
江戸時代えは、「金玉羹」という名前が一般的でしたが、「錦羹」や「琥珀羹」などの名前で呼ばれるようになりました。
そのほかの種類
生菓子の中には、練り物、流しもの、餅物、蒸し物などがあります。
干し菓子の中には、落雁、飴、おせんべいなどの乾きものがあります。
上生菓子の中には、羊羹、こなし、求肥(ぎゅうひ)などがあります。
カステラなど卵を使った洋菓子や栗、サツマイモなどを使ったモンブランなどの季節の洋菓子も人気ですが、コロナ禍になって、間食が増えたことで、カロリーが低い桜餅、柏餅、草餅、最中、おはぎなど「あん」が入った練りものにも注目が集まっています。
カロリーのほかにも、日持ちする食べ物を選ぶ方には、乾燥させた干菓子や揚げ物などを選ぶ方もいらっしゃいます。
上生菓子の歴史や起源
上生菓子の起源は、奈良時代に生まれたとされています。
鎖国をむかえた江戸時代に技術が発展して、江戸や京都などを中心に一般庶民にも浸透しました。
発展に貢献した飲み物
上生菓子の飛躍的な発展に貢献した作法があります。
それが、茶道です。
茶道は細やかな美的感性と季節を感じ取り、漂わせる感性が重要です。
茶道の場で、提供されるお菓子の口当たりと見た目の美しさで「場」を演出する。
こうした立役者となったのです。
和菓子の歴史は長い
食が充分ではなかった古代人は、空腹を感じると野生の「古能美」(木の実)や「久多毛能」(果物)を採って食べていました。
この間食が「果子」と呼ばれるものになったと考えられています。
食べ物を加工する技術のなかった太古には、果物の甘みを特別な恵みと感じ、主食と区別していたのでしょう。
古代から栽培されていた果実、栗と柿。
栗 / 日本に自生していた野生のクリ「シバグリ」。
果実が小さい。
柿 / 1214年に現在の川崎市で発見され、甘柿として日本で最初に記録された。
【年表でわかりやすくまとめてみた】
上生菓子の「菓銘」とは
上生菓子には、もなかやようかんといった名前の他に「菓銘」というものが付けられています。
菓銘とは、短歌や俳句、花鳥風月、地域の歴史や名所に由来sしていることが多い。
菓銘は、本来、お店が独自に名づけるものですが、一般的にも使われるようになったものもあります。
菓銘のルーツを学ぶ
夏場のお祓いの時期に食べられる「水無月」は、6月末に食べられます。
氷に見立てた外郎生地は、夏を無事に越せるようにという願いを込められて作られているとされています。
煮小豆には、上半期の厄落としやこれから年末までの無病息災を祈るといった意味が込められているのです。
秋口に出回る柿を模した練り切りには、「初ちぎり」という菓銘がつけられることがあります。
これは、江戸時代中期に読まれた「渋かろか/知らねど柿の/初ちぎり」という加賀千代女の俳句がツールとなっています。
意味は、見た目ではわからないので、実際に食べてみればわかるだろう」という意味。
「初ちぎり」の言葉に重ねて、嫁ぐ前の心境を表現した句ともいわれています。
和菓子【陛下献上菓子】
末広堂では、店舗限定販売で、天皇皇后両陛下献上菓子のお取り扱いをしております。
第二回北陸菓子共進会二等賞銀碑受賞
北陸三県銘菓選定会有功金賞受賞
商品名:憩菊の露
職人のこだわりは、お店ごとに異なります。
初夏秋冬それぞれの季節ごとの商品だけではありません。
天皇や皇族の方が名付けた銘菓もあります。
この場合は、「御銘」と呼ばれています。
ぜひあなたのお気に入りの商品をみつけてみてください。
美しい見た目と上品な味わい
スイーツも数多くの商品があります。
品があるとか上品というのは何を見て言っているのでしょうか?
上品な味とは、味が薄いという意味になります。
食べ進めると、だんだん味わいが深まるのが特徴です。
食べ終わった後には、口の中に味が長く残らないようなもの。
「目上の人には何を贈ったらいいかわからない」
「茶席でのお菓子を用意したことが無い」
こんな時には、私の中でも饅頭のような多くの人が手に取る商品の中でも、粉などに気を遣わない商品を選ぶと喜ばれるでしょう。
手や口を汚す心配があるものは、食べ方にも配慮が必要になります。
デザインは綺麗で簡単に一口サイズで自然に食べられる商品を選ぶと喜ばれるでしょう。
和菓子と洋菓子の違い
和菓子と洋菓子の決定的な違いをご紹介します。
和菓子は水分が60%含まれています。
その他の材料として、でんぷんや砂糖など植物性の原材料を使用しているのが特徴です。
洋菓子では、水の代わりにバター、生クリームなどの動物性の材料を使用します。
つまり、洋菓子のほうが甘いですが、高脂質になってしまうのです。