こんにちわ。
慶応3年創業の老舗和菓子店「末広堂」です。
和菓子をたくさんいただいて、一度に食べきれずに困ったという話を聞くことがあります。
季節ごとに和菓子を贈る機会がある人におすすめの選び方もご紹介しています。
6月のお茶会の話題にしてほしい「和菓子の日」についてもご紹介しております。
全国で美味しい和菓子がある都道府県人気ランキングもご紹介しています。
今回の記事では、和菓子の正しい保存方法について解説します。
和菓子の保存方法【冷凍と解凍】
和菓子の冷凍・解凍方法は基本的に同じです。
冷凍した和菓子の保存期間の目安は、2週間~最長1ヶ月といわれています。
もちろん、すぐに劣化して腐る、カビが生えるわけではありませんが、本来は常温保存で、数日の日持ちの商品。
美味しい状態で食べることを意識するなら、日持ちの期間内でたべきることをおすすめします。
賞味期限は要注意
ギフトで詰合せセット等をいただいた際、箱には賞味期限が記載されていて、個包装には、記載がなかった。
こんな時、どうしたらいい?
この場合は、お店に確認をすることが大切です。
ういろう、どら焼き、最中、饅頭、ブッセ、あんドーナツ、桜餅、上生菓子など種類はいろいろありますが、それぞれ販売店ごとに賞味期限は異なります。
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冷凍するタイミング
全国和菓子協会のホームページにも紹介されていますが、冷凍するなら、「早め」がおすすめです。
未開封状態でも日にちが経過すると、少しずつ風味が落ちていくためです。
【冷凍方法】ラップ+保存袋で密封して冷凍
1 ひとつずつラップで包む
ひとつずつラップでぴったりと包みます。
どら焼きのように個包装されているものは包装ごとラップで包みます。
2 冷凍用保存袋に入れて冷凍する
冷凍用保存袋に入れて口を閉じ、冷凍します。
冷凍庫で約3週間保存可能。
【解凍方法】冷蔵庫で解凍する
冷蔵庫で2〜3時間解凍します。
和菓子は砂糖を多く使っているのでカチカチに凍らず、解凍後は食感が元どおりに。
風味も損なわれません。
常温解凍はやめましょう
常温解凍をすると、冷凍庫と室内の温度差により、結露が発生します。
つまり、和菓子が劣化しやすくなるのです。
商品によっては、1日でカビが生えることがありますので、注意が必要です。
そもそも常温って何度?という方のために、補足します。
常温とは、常に一定した温度であること。
熱したり、冷やしたりしない自然な温度のこと。
一年中の平常の温度などを表します。
厚生労働省による「常温保存可能品に関する運用上の注意」によると、「常温とは、外気温を超えない温度」とされております。
JIS規格では、常温の設定温度は28℃とされております。
夏季は、気温が30℃になることもありますが、住居内の保存であれば、高温多湿を避けるようにしましょう。
レンジ解凍も要注意
来客時のおもてなしの品として出すために、すぐに解凍したい。
こんなシーンもありますね。
しかし、加熱しすぎがおきやすいので要注意。
時間の目安は、5秒、10秒と紹介している内容もありますが、元のW数が記載されていない記事の情報は鵜呑みにすると危険です。
冷凍保存できる和菓子はコレ
まんじゅう
お土産などでいただくことの多いまんじゅうですが、賞味期限は3〜4日と短め。
皮がパサつきやすいので、すぐに冷凍しましょう。
だんご
だんごの常温の賞味期限は1~2日。
冷蔵すると餅がかたくなるので、常温のまま早めに食べきるか、串ごと1本ずつラップでぴったりと包んで冷凍保存を。
みたらし、あんこ、しょうゆ、ごまなど、どの種類のだんごでも冷凍保存できます。
ようかん
ようかんの賞味期限は未開封なら1年と長めですが、開封後は2~3日しかもたないので冷凍保存がおすすめ。
1cmほどの厚さに切り、小分けにして保存すると、食べる分だけ解凍できます。
※水ようかんは除く
大福
大福の賞味期限は1~2日程度。
常温や冷蔵庫に置いておくと餅がかたくなるため、早めに冷凍保存しましょう。
どら焼き
どら焼きの賞味期限は2~3日程度。
どら焼きは皮に水分が多く、冷蔵するとカビが生えやすくなるため、冷凍保存がおすすめです。
【冷凍NGな和菓子もあり】
水分が出やすいもの、フルーツを使っているものなどは冷凍に向きません。
いちご大福、葛きり、寒天よせなどは冷凍保存せず、早めに食べましょう。
【和菓子の保存方法|まとめ】
和菓子はでんぷん系の材料を使ったものが多いので、基本的には冷蔵は苦手です。
しかし冷凍は大丈夫なのです。
餅、大福、最中、カステラ、どら焼き、生菓子など、和菓子のほとんどは冷凍でも一定期間ならおいしさを保つことができます。
冷凍する時のポイントは、頂いたら、なるべく早く冷凍すること、食べる分量ずつ小分けにして冷凍用のビニールなどに包みましょう。
崩れやすいものは、密封容器などに入れて冷凍するとよいでしょう。
冷凍したものは、常温で2〜3時間で解凍できますが、解凍後は品質の劣化が早く進むので、できるだけ早く食べましょう。いちど解凍したものを再冷凍するのは禁物です。
このような保存方法を覚えておけば、賞味期限までに食べなくてはなどと気にすることもなく、おいしい和菓子をいつでも楽しむことができます。
ぜひお試しください。
末広堂では日持ちする和菓子もお取り扱いをしております。