こんにちわ。
慶応3年創業の老舗和菓子店「末広堂」です。
和菓子を調べる時、季節との関係って気になりませんか?
日本には、初夏秋冬に合わせた旬の素材を活かすスイーツや食べ物がありますよね。
和菓子にも各季節ごとにおすすめの商品があります。
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今回の記事では、和菓子の雑学で、「水無月」についてご紹介しています。
水無月とは?由来や語源
日本では、旧暦の6月のことを「水無月」と言います。
読み方は、「みなづき」と読みます。
水無月はいつから?
漢字で書くと、「水の無い月」と書いているように見えますよね。
旧暦6月とは、旧暦(太陰太陽暦)の年初から6番目の月。
天保歴よりも前の定義では、大暑を含む月を6月としています。
新暦では6月下旬から8月上旬になります。
水無月の由来
「水の無い月」と書くのですが、確かに新暦6月~8月上旬には、暑さで水が干上がることから、文字通り「水が無い月」となったという説があります。
現在では、6月には梅雨が気になるわけですが、昔とは少し気候も違うため、言葉の意味を調べると違和感がありますね。
別の言い方では、「青水無月」とも呼ばれます。
青は、青葉の茂る頃という意味があります。
和菓子の水無月とは
和菓子の中でも、京都の名産品となったのが、「水無月」です。
水無月とは、三角の形をした和菓子です。
お菓子の由来
なぜ和菓子に同じ名前を使っているの?
この答えは、旧暦6月1日に氷を食べることで、夏バテを予防する風習から来ています。
6月30日に食べる風習
水無月は、6月30日に食べる習慣があります。
この日には古くから「夏越の祓え」や「水無月の祓い」などが行われています。
行われている行事の中で食べられていたのがきっかけで、邪気を夏祓いできれいに取り除き、後半の7月を前に厄払いをしながら、夏バテを予防するという意味があります。
和菓子になぜその名前が由来したのかといえば、6月1日を「氷の節句」としていたことが関係します。
暑気払いを行い、氷室から氷を取り出して食べるという宮中の風習から来ています。
暑気払いとは、暑い夏に冷たい食べ物を食べることで、体を冷やす効果のある食品や漢方、薬を使うことで、体にこもった熱気を取り除こうとすることです。
暑気払いの時期
6月21日頃~月末にかけては、本格的な夏が訪れる時期です。
6月30日は、会社でお酒を飲んだりすることで、暑気払いをする風習が残っています。
7月7日頃からは、梅雨明けに伴い、本格的に暑くなります。
その後立秋前の18日間は、雑節と呼ばれ、大暑と重なる時期です。
7月23日頃からは、1年で最も暑い時期となります。
その後は、8月7日~残暑、8月23日~、処暑となり、朝夕が涼しくなる時期と言われています。
しかし、昨今の異常気象の関係で、11月ごろまで暑い日が続く年もありますので、あまり昔の季節の変わり目が参考にならないという声もあります。
水無月で有名なお店
以下のようなお店が有名です。
- 仙太郎(京都府)
- 五建外良屋(京都府)
- 稲荷ふたば(京都府)
- とらや銀座店(東京都)
- たねや(東京都)
水無月の作り方(レシピ)
水無月は、ご自宅でも簡単につくれます。
調理時間の目安は、20分程度です。
材料
- 小豆:200g
- 上新粉:150g
- 砂糖:60g
- 白玉粉:40g
- 水:300ml
作り方
水で耐熱皿を濡らしておきましょう。
- ボウルに上新粉、砂糖、白玉粉を入れる
- 白玉粉をつぶしながら混ぜ合わせる
- 水を入れながら、混ぜ合わせる
- ざるでこして、50ml程度に取り分ける
- 耐熱皿に注ぎ入れる
- ラップをかける
- 600Wレンジで4分加熱
- 取り出す
- 甘納豆を全体に敷き詰める
- ラップをかけて、600Wレンジで3分程度加熱
- 粗熱を取る
- 三角形に切り分けて完成
といった簡単なレシピもインターネット上には複数紹介されていますので、参考にしてください。
和菓子は老舗で選ぼう
和菓子には、歴史がありますし、それぞれの商品に由来や意味もあります。
甘くておいしい味を楽しむだけでなく、どうしてその季節に食すようになったのか?などの歴史や由来を知ることで、楽しみ方も変わってくると思います。
甘いものを食べるのが心配なダイエット中の方や血糖値が気になる方にも和菓子はおすすめです。